放射線技術科

放射線技術科の紹介

放射線技術科では、X線撮影や血管撮影・乳房撮影・CT・骨密度検査などX線を使った検査、放射線医薬品を使った核医学検査、強い磁力を利用したMRIといった各種検査の他、放射線を患部に照射し治療する放射線治療を行っています。
私たちは専門的知識を高め、患者様に安全でより質の高い医療を提供できるように努めています。

認定・専門技師(令和6年4月1日現在)

  • 放射線取扱主任者:3名
  • 医学物理士:2名
  • 放射線治療品質管理士:1名
  • 放射線治療専門放射線技師:2名
  • 血管撮影・インターベンション専門放射線技師:2名
  • 救急撮影認定技師:5名
  • X線CT専門認定技師:3名
  • 大腸CT専門技師:1名
  • 画像等手術支援認定診療放射線技師:4名
  • 磁気共鳴専門技術者:2名
  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師:7名
  • 医療情報技師:2名
  • 医療画像情報精度管理士:1名
  • 放射線機器管理士:2名
  • 放射線管理士:3名
  • 臨床実習指導教員:3名
  • 診療放射線技師臨床実習指導者講習会受講者:10名
施設認定

  • マンモグラフィ検診施設・画像認定施設
  • 全国循環器画像研究会 被ばく線量低減施設認定
  • 日本救急撮影技師認定機構 指定実地研修施設

高度な検査と治療が可能な機器のご紹介

MRI撮影検査室

MRI撮影検査室

 MRIとは、核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging)の略で、強い磁石と電波によって人体の断層像を撮影します。断層画像という点ではX線CTと一見よく似た画像が得られますが、CTとは全く異なる物質の物理的性質に着目した撮影法のため、CTで得られない情報が多く得られます。
 利点として放射線による被ばくの心配がない、造影剤を用いなくても血管だけの画像が撮像できる、骨によるアーチファクトが少ないなどがありますが、欠点としては撮影時間が長い、装置が狭く、閉所恐怖症患者や小児に強い恐怖心を抱かせる、装置の発する騒音が大きいなどが挙げられます。また、MRI検査は強い磁石を使用しているため、心臓ペースメーカーやその他磁気に反応する金属が体内にあると、検査を受けられない場合があります。
 当院ではMRI検査を安全安心に行うため、厳しいルールを設けています。その一例ですが、体内金属(歯科インプラントを含む)がある場合は、その金属を入れた病院(歯科)に患者さんからMRI対応か確認を取ってもらっています。お化粧、日焼け止め、つけまつげ、増毛パウダー、コンタクトレンズ等、取り外せるものは、はずしていただきます。他院では、外さずにMRI検査を行ったと言われる方がおりますが、磁場の強度が違う場合がありますので、当院ルールを順守していただきます。
 2024年3月よりPhilips社の Ingenia Elition 3.0テスラを導入しました。装置更新に伴い検査空間の拡大、検査マットの品質向上、明るい室内照明を採用し、患者さんのストレス軽減を実現しています。

CT検査室

 CT装置は人体の表面から内部までを横断面の情報として短時間で得ることが可能です。現在の医療ではCT検査が臨床画像診断や治療に果たしてきた役割はきわめて大きいです。当院では2X線管球型CTと320列マルチスライスCTをメインに計4台のCT装置が稼働しています。
 当院が所有するCT装置は全て被ばく低減機能を備えております。また全ての装置において被ばくの情報を管理し、専門の医師と診療放射線技師で最適化したCT検査を実施しております。


2X線管球型CT
2X線管球型CTの特徴

2X線管球型CTはメインの部品である管球が2つ搭載されたタイプの装置です。自動車で言えばエンジンが2つ搭載されているようなイメージです。超高速撮影や心血管系の検査、物質弁別と呼ばれる物質を見分ける解析などが可能な装置です。

320列マルチスライスCT
320列マルチスライスCTの特徴

320列マルチスライスCTは、体の長い方向に対してX線の検出器16cm有する装置で、現在あるCT装置では最も広い検出器を有します。1回転で心臓や頭部をテーブル移動無しで撮影することが可能な装置です。

血管撮影室

血管撮影室について

 血管造影検査は、専用のX線透視装置を用いて血管の中にカテーテルと呼ばれるチューブを、目的とする血管まで挿入し、そこへ造影剤を注入してX線を使って連続的に血液の流れを動画で撮影する検査です。
 また、狭くなったり詰まったりした血管に対するバルーン治療やステント治療、動脈瘤や血管破裂に対する塞栓術、不整脈に対する焼灼術治療、肝臓の腫瘍に対する化学塞栓術等の血管内手術を行うことが出来ます。
 新潟市民病院では、令和5年4月現在4室の血管撮影室が稼動しています。内訳は、脳血管用の2管球撮影装置が1台、腹部血管用の1管球撮影装置が1台、心臓血管用の2管球血管撮影装置が2台の計4台で、新潟県内では最大規模です。高精度、高機能の撮影装置を備えており、安全かつ高度な検査・手術が行えます。
 24時間あらゆる検査・手術に対応でき、特に緊急性の高い心筋梗塞や脳梗塞の治療に対しては万全の体制をととのえています。対応するスタッフも各科の医師をはじめ、看護師、放射線技師、臨床工学技士が高い専門性を活かし協力して業務を行っており、安心安全な検査治療が受けられるよう、一丸となってチーム医療に取り組んでおります。

放射線治療室

放射線治療室

 放射線治療とは、病気の細胞に放射線があたると徐々に死滅していく効果を利用します。病巣だけに効果的に放射線が当たるように放射線の種類や強さを選び、正常細胞を出来るだけ傷つけず治療することを目的としています。
 H27年11月、治療装置の更新に伴い、最新の放射線治療システムによる放射線治療が行えるようになりました。新しい治療装置はエレクタ社のInfinity(インフィニティ)という装置を導入しました。
 新しい放射線治療システムは画像照合システムを備えています。従来の治療装置では、放射線リニアック治療を行う部位の位置合わせは、患者さんの皮膚につけた印と治療室の壁からのレーザーの光が一致するようにして行っていました。新しい治療装置では、患者さんに治療の寝台に寝ていただいた状態で、骨のX線写真またはCT画像を撮影し、これらの画像と治療計画CTから作った画像を重ね合わせ、照射部位のずれを確認します。その後、高性能の寝台により高さや角度・傾きを修正することで、非常に高い精度で照射を行うことが出来るようになりました。

核医学検査室

核医学検査室

 核医学検査室では、放射性同位元素を利用して検査や治療を行っています。
 検査は、微量の放射線(ガンマ線)を放出する放射性同位元素を含んだ少量の薬(これを放射性医薬品といいます)を注射などによって体内に投与し、放射性医薬品が取り込まれた臓器や病変部から放出されるガンマ線を検査装置で撮影して画像にしています。核医学検査で使用する放射性医薬品は、放射性同位元素の中でも寿命の短いものを利用し、検査に必要とされる量だけを投与していますので、安心して検査を受けていただけます。検査の撮影時間や前処置などは、たくさんの検査の種類があるため様々です。
 核医学検査の特徴は、主に臓器の働き具合(機能)を調べることができる所にあります。CT検査やMRI検査は、主に形態や位置、大きさを調べることができますので、必要な検査を組み合わせて行うことにより効果的な治療方針を決定し、その効果を判断することができます。
 当院では、核医学検査装置であるSPECT装置が2台稼働しています。毎日様々な検査が行われていますが、主に骨の病気を診断するための骨シンチグラフィや、脳の機能的異常を検査する脳血流シンチグラフィ、狭心症などの評価のために行う心筋血流シンチグラフィなどを行っています。これらの検査は、歴史のある検査であり以前から多くの施設で行われています。この他にも、ドパミン神経の変性・脱落の程度を評価する線条体シンチグラフィや、神経内分泌腫瘍の診断のためのソマトスタチン受容体シンチグラフィといった、近年開始された新しい検査も行っています。
 核医学は、放射性同位元素を検査だけでなく治療に利用することもあります。当院では、血液の病気に対する治療の一つであるRI標識抗体療法を行っています。放射性医薬品を用いて検査を行い、治療の適応を判断します。治療に使用される放射性同位元素は、検査で使用されるガンマ線ではなく、ベータ線とよばれる放射線を放出します。このベータ線を利用して病変にダメージを与えます。
 このように、新潟市民病院の核医学検査室は様々な放射性医薬品を利用して検査・治療を行っています。

マンモグラフィ

マンモグラフィ

 マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影のことです。当院では女性技師が担当しています。
 乳房は、乳腺や脂肪などの柔らかい組織から構成されるため、通常のX線撮影では病変を写し出すことができません。そのため専用の装置を使用し、乳房を薄く伸ばして圧迫することで、組織や病変を区別して写します。
 2019年1月に導入された装置では、「トモシンセシス」という画像を撮影できるようになりました。トモシンセシスは多方向から画像を作成し、得られた画像を再構成することで、乳房を薄くスライスしたような断層像を作成します。それによって、通常のマンモグラフィでは乳腺の重なりに埋もれてしまうような病変が観察しやすくなります。一回の圧迫で通常のマンモグラフィとトモシンセシス両方の画像を得ることができます。
 圧迫には痛みを伴うことがありますが、複数の利点があります。厚みが減ることで被ばく線量が低減すること、画像のボケを減らして鮮明な画像が得られること、乳腺が広がることで病変を見つけやすくなること等、どれも大切な要素です。
 少ない苦痛でよりよい画像を得られるよう、声をかけながら検査を進めていきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。気がかりなことがあれば気軽に担当技師へ声をかけてください。


受診予約
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