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臨床工学科

臨床工学科の紹介

 聞きなれない言葉だと感じる方もいらっしゃると思います。臨床工学技士とは、厚生労働省の認める国家資格であり、法律では「医師の指示のもとで、生命維持管理装置の保守点検および操作を業とするもの」とされています。
 生命維持管理装置とは、呼吸や血液の循環、血液の浄化といった生命を維持するための器官の代行を行う装置のことで、そういった重要装置を専門的に扱っています。
 また、日進月歩の医療界において特に移り変わりの激しい分野でもあるため、常に新しい機器に対応するための努力が必要とされます。

 新潟市民病院の臨床工学技士

新潟市民病院には現在19名の臨床工学技士が勤務しています。
 手術室、心臓カテーテル室、内視鏡室、血液浄化治療室、医療機器管理室を主な職場としており、各専門分野での医療機器を使用した臨床業務、院内医療機器の管理、日当直業務を含めた緊急時対応を行っています。
 医療機器管理室では電子カルテ内の管理システムを使用し、点検・貸出・故障等の履歴を管理し機器の適切な運用に役立てています。
 各専門分野での最新で高度な医療技術を提供する為に、各種専門認定制度の取得にも力を入れています
現在の認定資格取得数
  • 呼吸療法認定士:6名
  • 透析技術認定士:10名
  • 体外循環技術認定士:3名
  • 第1種ME技術認定:2名
  • 心血管インターベンション技師:2名
  • 医療機器情報コミュニケーター(MDIC):2名
  • 臨床高気圧酸素治療装置操作認定技師:1名

 臨床工学科人員配置

部署 人員数 業務内容
中央手術室 5名 麻酔セット管理,人工心肺,内視鏡手術,体外衝撃波結石破砕装置(ESWL),ダ・ヴィンチ(医療ロボット)など
心臓カテーテル
光学医療室
4名 術中モニタリング・IABP・PCPS・ペースメーカー/ICD外来など
血液浄化治療室 10名 人工透析・血漿交換・CHDF・DHP・末梢血幹細胞採取など
院内機器管理在宅呼吸器 院内呼吸器管理・院内機器管理・ドクターカー管理・在宅呼吸器管理など

手術室業務

 人工心肺業務

心臓を停止しなければ行えない開胸手術の際に、心臓と肺の代わりとなる人工心肺装置で体外循環を行います。
 人工心肺装置の他に、心筋保護液注入装置やヘモコンセントレーターといった周辺装置も扱います。
 高度な技術、知識が必要なため熟練したスタッフにより操作されています。

人工心肺装置

人工心肺装置

 麻酔挿管セット管理

円滑に麻酔を導入して手術を開始するために、麻酔セットの準備を予めしておきます。
手術体位や診療科によりセット内容が変わります。
麻酔器の管理も行っています。

 ESWL(体外衝撃波結石破砕装置)

腎臓や尿管に出来た結石を、体外より衝撃波を加えて破砕する装置です。
 機械の立ち上げや、結石の焦点合わせの補助などを行います。術中も立ち会って、トラブルに対応しています。

ESWL治療装置部

ESWL

 各種内視鏡手術

お腹や胸を開かないで、腹腔や胸腔に内視鏡を入れて間接的に手術する手法が最近増えてきています。それらの外部機器の準備、操作、記録などを行っています。

セルセーバー

大動脈などの手術で大出血が予測される際に、出血した血液を吸引で回収して、生理食塩液で洗浄して体に戻すための装置です。遠心分離で破壊された血液や不要物は除去されます。

自己血回収装置(セルセーバー)

自己血回収装置(セルセーバー)

心臓カテーテル室

 心臓血管撮影室で主な業務は行われています。成人・小児心臓カテーテル検査・治療、電気生理学的検査、ペースメーカ・ICD植込み等が行われており、これらの検査、治療に使用される全ての医療機器の操作、管理を行っています。
 急性心筋梗塞の患者さんなどで昼夜を問わず緊急の検査、治療を行っているため、緊急時呼出しにも対応し医療技術提供を行っています。
成人心臓カテーテル検査
主に狭心症や心筋梗塞、弁疾患など、循環器系の疾患の患者さんにこの検査を行います。カテーテルといわれる細い管を使用して、心内圧測定、冠動脈造影、心室造影、大動脈造影など行い医師が診断します。ポリグラフの操作、造影剤自動注入器の操作などが主な業務です。
EPS・アブレーション
EPS(電気生理学的検査)・アブレーション(心筋焼灼術)を行います。徐脈性不整脈に対する電気伝導性、頻脈性不整脈に対する起源の特定といった検査が行われ、頻脈性不整脈の治療の一つとして不整脈起源や電気の通り道を焼杓(アブレーション)する事により、電気的な悪路を絶つといった治療が行われています。臨床工学技士は検査・治療に立会い、生体モニタリングの他に心内電位の記録及び計測、電気刺激装置・3Dマッピングシステム・焼杓装置など外部機器全般を操作しています。
小児心臓カテーテル検査
先天性心疾患や川崎病の診断を行い、手術適応の判断や術後のフォローアップを行います。また治療として心房中隔欠損症や動脈管開存症にはカテーテルを用いてアンプラッツァーやコイルといった閉塞用の治療具を植え込む他、肺動脈・大動脈及び肺動脈弁の狭窄に対してバルーン拡張術が行われています。臨床工学技士は生体モニタリングの他に圧記録、血液ガス測定、血管内エコー装置操作などを行います。
カテーテル治療風景
EPS時のポリグラフ操作

経皮的血管拡張術(PCI、PVI)

冠動脈・末梢動脈・腎動脈に狭窄がある場合、カテーテルを用いて狭窄部を風船で広げたり、削り取ったりします。当院ではバルーン・ステントの他に、レーザー・DCA・ロタブレーダーといったアテレクトミー治療が豊富です。急性心筋梗塞などに対する緊急治療も多いです。
臨床工学技士は生体モニタリングの他に血管内を計測・観察する装置(血管内イメージングモダリティ)の操作、緊急時バックアップ機器の準備、使用するワイヤやバルーン、ステントといった機材や治療戦略に精通し、治療を円滑に行う為の支えとなっています。
血管内エコー(IVUS)操作風景
血管内エコー(IVUS)操作

ペースメーカ・ICD植込み

ペースメーカー、ICD
徐脈性不整脈に対するペースメーカー、頻脈性不整脈に対するICD、心臓再同期療法用デバイス(CRTP、CRTD)の植込みが行われています。臨床工学技士は植込手術時の生体モニタリングの他にプログラマー操作、PSA操作、透視装置の操作(透視スイッチ以外)を行っています。

ペースメーカ・ICD外来

ペースメーカー・ICD外来
週に一度のペースメーカー外来・ICD外来にそれぞれ立会い、医師と共にプログラマー操作や問題の有無の観察などを行います。近年は家庭でモニタリングする機器も増えてきており、導入のお手伝いやインターネットを経由したPC上での観察業務も増えています。

血液浄化業務

血液透析

 市民病院の血液浄化治療室では、慢性腎不全の患者さんの人工透析導入期や急性期疾患、周手術期など入院加療必要時の一時的な維持透析、また救命センターにおいて急性腎不全や各種膠原病、薬物中毒に対しての血液浄化治療をメインとして行われています。

電子カルテ、血液浄化治療室

電子カルテと血液浄化治療室風景

透析液供給装置と透析粉末溶解装置

  透析液供給装置と透析粉末溶解装置      透析用精製水(RO水)作成装置の水質管理

 市民病院で行われている主な血液浄化治療(臨床工学技士が関わるもの)

血液透析 慢性腎不全の患者さんの腎臓の代わりに、血液中の老廃物や余分な水分を取り除きます。
週に2~3回、4~5時間かけて行います。
CHDF 救命センターにおいて、全身状態が不安定な患者さんに24時間かけてゆっくりと行う血液浄化療法です。
一般の血液透析と比べ、身体への負担が少ないです。手術後や病気の合併症等で急性腎不全に陥った場合や、慢性透析患者さんの手術後などに行います。救命センターに3台の装置があります。
血漿交換 患者さんの血漿を抜き取り、代わりに新鮮凍結血漿(FFP)というヒト血漿を患者さんに輸血します。
肝炎等でピリルビン値が高い時や、膠原病等で患者さんの抗体を除去したい時に行います。
 PP(血漿吸着) 患者さんの血液から血漿を分離して、その血漿をさらに特異的に吸着作用のある物質が詰まった筒に通します。
吸着されるターゲットとしては、ピリルビンや抗体などがあります。
CART
(腹水濾過濃縮再静注法)
お腹に溜まった腹水を取り出し、余計な成分を濾過した後に濃縮し、身体にとって必要なタンパク成分を静脈から戻してあげます。
その他 白血球除去(LCAP)、エンドトキシン吸着、末梢血幹細胞

院内医療機器管理

医療機器管理室は救命センター、救命・循環器・脳卒中センターに隣接しており、重要な医療機器の拠点となっている他、トラブル時にも技士がすぐに対応出来るようになっています。また月に1度は各種装置の点検を行い、円滑に運用出来るように整備しています。

医療機器管理室

機器管理室

各種人工呼吸器、補助換気装置、高頻度振動換気装置(HFO)、補助体外循環(PCPS)、大動脈バルーンパンピング装置(IABP)といった緊急性のある装置、各種モニター装置及びケーブル類といった機器ををいつでも使える状態で置いてあります。
 吸器用回路等の各種消耗品や備品を一元管理することにより、技士不在時でも効率よく機器の準備が出来ます。

機器管理室

輸液、シリンジポンプは病棟に定数配置すると共に、不足分を医療機器管理室より貸出します。各種医療機器の個体にはバーコードが付与され、貸出記録、修理点検記録は電子カルテ内システムに入力し、データベース化されています。

救命センター・脳循環器病センター呼吸器

センター呼吸器

ICU、CCUの人工呼吸器は医療ガスパイピング及び瞬時特別非常電源が天井より供給される事により、機器が接地しないシーリングペンダント式を採用しています。
また生体モニタと一体型となり、足元にケーブル類が這わずすっきりとしています。

センター呼吸器

生体モニタと共に呼吸器もオンライン化され、生体情報及び呼吸器の設定や呼吸情報が電子カルテと連動したファイリングシステムに自動的に経時記録されます。

院内医療機器管理の仕事

■ドクターカー点検
 
新病院では救急ステーションが併設された事により、ドクターカーが敷地内に常駐しています。
ドクターカー内での医療行為に不備がないよう、医療ガスボンベ、自家発電装置及び予備バッテリー、生体モニタの点検を定期的に行っています。
また、長距離患者搬送時の呼吸器用ガスボンベの必要数を計算して、必要物品のセッティングなども行います。
■高圧酸素治療装置
救命センター内に設置された高圧酸素治療装置の始業前点検及び定期点検をを行っています。
■AED管理
院内各部署に設置されているAEDのバッテリー管理、使用状況の確認及びデータ抽出を行っています。
■日常安全管理
院内医療機器安全管理の一環から、新機種の導入や危険情報の入手など、機会をみて院内の医療機器セミナーの開催、注意喚起の発信などを行っています。