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脳卒中科
Department of Cerebrovascular medicine

急性期脳卒中患者を24時間体制で受け入れています。

2017年4月1日新設。日本海側では初めての脳神経内科と脳神経外科の合同チームによる脳卒中科です。
われわれ脳卒中科は、国民病とも言われる脳卒中医療を担い、脳神経外科、脳神経内科、救急科との連携により困難な脳血管疾患の治療にあたっています。病態に応じた治療法の選択や組み合わせを行い、患者さんひとりひとりにとって最善の治療が行えるように努めております。
当院は、循環器病・脳卒中センターの集中治療室(ICU)を完備しております。

概要

わが国の脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)による死亡数は年間約13万人で、死亡原因の第4位を占めており、脳卒中は寝たきりの最大の原因でもあります。最善の脳卒中医療を行うためには、脳神経内科専門医、脳神経外科専門医の協力体制が非常に重要です。
対象は、脳血管障害の大部分を占める脳梗塞、脳出血が中心になります。「究極の治療は予防である」との観点から、無症候性脳梗塞や脳血管狭窄・閉塞、未破裂脳動脈瘤、前触れ発作とされる一過性脳虚血発作、その他ハイリスク患者の診療や治療にも十分な検討を行い積極的に取り組んでいきます。
治療技術の向上だけでなく、患者さんに対して誠心誠意接することを心がけています。全身疾患を抱えている患者さんも多く、複雑な病態も少なくありません。患者さん、ご家族に対して時間の許す限り丁寧な説明を行い、双方が十分納得した上で治療を行っていきます。
脳血管障害に精通した専門医師、看護師、放射線技師、医療スタッフみなで協力し、最善の治療環境を整えております。
急性期リハビリテーションや、回復期リハビリ病院、介護施設、診療所等と密な連携をとり、新潟市脳血管障害連携パスを使用し新潟市周囲の脳卒中医療体制の強化に力を注いでいます。
当院では急性期治療を中心に行います。脳卒中科の専門外来は設けておりません。
脳卒中科部長 森田健一

対象疾患

脳梗塞 脳の血管が狭くなったり、詰まったりすると、脳に血流がいかなくなりその部分の脳が壊れてしまいます。これを脳梗塞といいます。 脳梗塞は次のように分類されます。細い血管がつまるラクナ梗塞、太い血管が動脈硬化(血栓)によりつまるアテローム血栓性梗塞、心臓から血栓が飛んで脳の血管をつめてしまう心原性脳塞栓、その他です。それぞれ病態が異なり、治療法も異なります。 脳梗塞は発症から治療までの時間が非常に大切です。一般的には片麻痺、知覚障害、言語障害などが出現します。治療は早ければ早いほどよく、特に発症から4.5時間以内には、つまった血栓を溶かし、血流を再開通させる強力な治療のrt-PA(アルテプラーゼ)静脈注射療法を行います。 また、脳の太い血管がつまり、発症から6時間以内に治療開始できる場合には、経皮経管的脳血栓回収療法(カテーテル治療)を24時間積極的に行っております。
頚動脈狭窄症 頚動脈が狭くなり(狭窄)、その先の脳血流が低下したり、あるいは狭窄部に血液の塊ができ脳内血管に流れ血管を閉塞させると、脳梗塞を起こす危険が高くなります。動脈硬化による頚部頚動脈狭窄症は、生活スタイルの西洋化に伴い年々増加しています。 将来の脳梗塞の予防をするための治療には、内科的治療、直達手術、血管内手術によるステント留置術があります。狭窄が60%以上で、すでに症状があった場合は年間5-13%、無症候の場合は年間3%の脳梗塞の発生があると言われております。症状がある場合は60%前後以上の狭窄、症状がない場合は80%前後以上の狭窄がみられた場合に手術治療を勧めた方が良いと言われています。 当院では身体に負担の少ないカテーテル治療の頚動脈ステント留置術を積極的に行っております。
脳出血 脳血管が切れると出血し、脳の中に血の塊ができ、脳が壊れます。この状態を脳出血といいます。脳血管が切れる最大の原因は高血圧です。そのほか、アミロイド血管異常、薬剤による出血傾向、脳血管奇形(脳動静脈奇形、硬膜動静脈ろう)などがあります。 出血後、特に24時間以内は、出血の増大、再出血がおこり、早急な血圧の管理、止血剤投与などが必要になります。 また、大きな出血や増大例で意識障害を伴う場合、脳脊髄液の循環障害をきたすような脳室内への出血の場合には、手術加療が必要になることがあります。
くも膜下出血 くも膜下出血の原因は、脳動脈瘤(85%)、脳動静脈奇形、脳動脈解離などです。日本での発生頻度は、人口10万人に年間約20人、他の人種より多いと報告されております。新潟市の人口は約80万人ですので、新潟市で年間約160人の方が発症する概算になります。 くも膜下出血は、40%が重度の障害を残し、10から47%が死亡と報告されております。再出血は高率に予後を悪化さるため、再出血を防ぐことが重要です。開頭脳動脈瘤クリッピング手術と、脳血管内治療(脳動脈瘤コイル塞栓術)があります。その後、続発する脳血管れん縮、水頭症、全身の合併症に対し集中治療が必要になります。脳神経外科が中心となり治療を行います。
未破裂脳動脈瘤 脳の血管の一部が膨らむと脳動脈瘤ができます。その膨らみが大きくなると壁が薄くなり、血圧に耐えられなくなると破裂して、くも膜下出血をおこします。動脈瘤が5mmより大きい場合は年間0.5から2.0%程度破裂すると言われております。日本人は動脈瘤が特に形成されやすい人種であることが分かっており、小さい瘤も含めますと、脳ドックを受けた人では、20人に1人発見されると言われております。 日本脳ドック学会のガイドラインに従い、経過観察、手術治療(開頭クリッピング手術、または動脈瘤コイル塞栓術)の方針について十分に相談していきます。

2016年 診療実績

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などを合わせ、年間約500人以上の患者さんが当院で入院加療を行っております。rt-PA(アルテプラーゼ)静脈注射療法は、2015年46件、2016年32件施行しております。 2016年度の脳血管内治療(カテーテル治療)について、下記に記載いたします。
脳血管内治療2016年1月~12月
脳血管内治療(総数)87
経皮経管的脳血栓回収療法29
脳動脈瘤コイル塞栓術(破裂)26
脳動脈瘤コイル血栓術(未破裂)6
頸動脈ステント留置術9
その他17

診療スタッフ

医師 役職 卒業年 認定資格
森田 健一 科部長
脳神経外科副部長
平成10年 日本脳神経外科学会専門医・指導医
脳神経血管内治療学会専門医・指導医
脳卒中学会専門医
新保 淳輔 科副部長
脳神経内科副部長
平成11年 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中学会専門医
五十嵐 修一 科副部長
脳神経内科部長
医療管理部長
昭和63年 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本神経学会専門医・指導医・代議員
日本脳卒中学会専門医
日本頭痛学会専門医・指導医
渡部 正俊 科副部長
脳神経外科副部長
副センター長
平成4年 日本脳神経外科学会専門医・指導医
塚本 佳広 医長
脳神経外科兼任
平成19年 日本脳神経外科学会専門医
高橋 真実 医師 平成22年
吉田 至誠 医師
脳神経外科兼任
平成25年
大原 浩司 医師 平成26年  
河辺 啓太 医師
脳神経外科兼任
平成26年
三浦 叡人 医師 平成27年  
【お願い】
慢性期にはいり、家庭-社会復帰を目指した長期リハビリテーションに関しましては、新潟市脳血管障害連携パスに従い、当院と連携したリハビリ専門病院を紹介させていただいております。
脳卒中の予防には、かかりつけ医師による全身管理、高血圧、糖尿病、脂質異常、不整脈(特に心房細動)、禁煙、節酒などが大切になります。当院において、脳卒中科の専門外来は設けておりません。当院での急性期入院加療を行い、退院後はかかりつけ医への紹介をお願いさせていただきます。

施設認定

  • 日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院
  • 日本脳神経血管内治療学会認定研修施設
  • 日本脳神経外科学会専門医訓練指定施設
  • 日本神経学会認定教育施設