看護部長のあいさつ
私たちは新型コロナウイルス感染症の対応に迫られ今までにない経験をしてきました。この状況の中、病院の理念「患者とともにある全人的な医療」のもと、病院をあげて感染対策に取り組み、重症・専門・救急を中心に質の高い医療を提供し、地域の高度急性期医療機関として貢献してきました。看護部の理念である「笑顔・やさしさ・ぬくもり そして ふれあいを大切に、いのちと健康を支援する看護」のもと、患者さんに寄り添う看護を大切にしてきました。多職種と協働し、患者さんと向き合うチーム医療がここにはあります。
今後、医療の発展、働き方改革と労働人口の減少、少子高齢化など医療を取り巻く環境の変化によって、さらに看護職は多様な対応が求められます。そのため、主体性と柔軟性を兼ね備えた看護師の育成が求められます。自分の未来を明るいものに描ける、一人ひとりが目標に向かってキャリアを構築していくための教育体制も整えています。病院が機能を維持するためには、働く人が大切です。みんなが看護のよろこび、やりがいを感じ、よりよい看護が提供できるよう働き続けられる職場づくりをしてまいります。
新潟市民病院 副院長・看護部長 大島 紀子
看護部の理念・概要
看護部の組織図
看護体制
看護方式
デイパートナー制チームナーシング
看護体制
三交代制
クリニカルラダー
クリニカルラダーは看護師の能力開発・評価システムの1つであり、看護師の能力を段階的に表し、各段階において期待される能力が示され、到達度によって看護師の能力が評価されるシステムです。
新人看護師の教育体制
チーム支援型、チューターシップ体制をとっています。
「チーム支援型」とは
スタッフー人一人が教育方針に則り、全員で新人看護職員の教育·支援する方法を 「チーム支援型」と言います。
<看護師長>は、新人看護職員他全スタッフの状況を把握し、全体を統括しています。
<副看護師長>は、看護実践者のモデルであり、メンタルヘルスサポートを行います。
<新人教育担当者>は、各部署で実施される研修の企画·運営を中心となって行います。
看護体制は、デイパートナー制チームナーシングです。日勤帯は先輩看護師とペアを組んでケアを行います。
看護実践についてはペアを組む先輩看護師が主な指導者となります。新人看護職員も大切なパートナーの一員です。
「チューターシップ体制」とは
「チューターシップ」体制とは、各新人看護職員に決まった相談相手(チューター)を配置し、相談や支援を行う体制です。
<チューター>は、新人看護職員の「メンタル面のサポート」「日常のアドバイス」を行います。
専門看護師・認定看護師
現在20名の看護師が認定を受け、院内で活動しています。(令和6年4月1日現在)
専門看護師
老人看護 1名
認知症や嚥下障害などをはじめとする複雑な健康問題を持つ高齢者の生活の質を向上させるために、高齢者の意思を尊重し、最期まで“その人らしく”過ごせるように支援します。患者さんやご家族、医療チームと関わりながら、病棟看護師と共に患者さんのケアを考えています。
慢性疾患看護 1名
医療の高度化、社会背景の変化から、慢性疾患を抱える患者さんおよびご家族は、複雑な課題を抱えながらの生活を余儀なくされることが多くなっています。病いを持ちながらも、その人が「ありたい自分」でいられるよう、また「生き生き」とした生活を送れるように多職種と協働しながら、患者さんを中心に最善の方法をともに考え、自律および意思決定への支援を行っています。
認定看護師
集中ケア 1名
重症な患者さんのケアを行うとともに、重症化を防ぐケアや急変を予測するアセスメントにも力を入れています。また呼吸サポートチームの一員として、呼吸に問題を抱えた患者さんのケアを病棟看護師と共に考えています。
感染管理 2名
患者さんやご家族、院内で働く全ての人々を感染から守ることが役割です。手指衛生の向上をはじめとした感染予防策の実施、教育・啓発を行い、全ての職員が適切な感染対策を実践していけるように働きかけています。HIV診療における看護ケアの実践や、一類感染症・二類感染症などの特殊な感染症診療が、安全で安心に行えるように支援・調整を行っています。
また、近隣の医療施設や社会福祉施設に対しても、施設内の感染対策の向上を目的として、相談やラウンドを実施し、助言を行うなどしています。『感染管理は地域の問題』と考え、地域の感染管理の向上に向けて積極的に支援活動を行っています。
救急看護 2名
救急医療を必要とする患者さんやご家族に寄り添い、ぬくもりのある救急看護が提供できるように、院内外を問わず啓発活動を行っています。予期せぬ心肺停止の患者さんに対応できるように救急蘇生法や応急処置の講習会を開催しています。急変予防や予測を目指して、急変現場を模擬体験しながら患者さんの容態変化の観察や対応を楽しく学べる「院内メディカルラリー」の企画・運営を行っています。また、災害発生時、直ちに対応できるように、訓練や教育活動を行っています。
小児救急看護 1名
子どもの救急場面において、後遺症のない救命に向けて指導や支援を行っています。また、院内外を問わず小児BLSの研修会を実施し、小児救急における質の向上に努めています。子どもが健やかに育つことができるよう、また、現代の育児環境の変化による、子どもと家族の多様なニーズや問題に対して、支援を行っています。
皮膚・排泄ケア 3名
褥瘡の予防と早期治療を目指して病棟を巡回し、ケア相談にのっています。また、失禁に伴う皮膚トラブルや創傷管理など、スキンケア全般に関してのケア相談も行っています。ストーマ外来では、ストーマを持った方々が一日でも早く安心して日常生活を過ごせるよう支援しています。
手術看護 1名
手術医療の高度・複雑化、高齢化に伴い、複数の合併症をもつ患者さんが増えてきています。手術看護認定看護師として、安全な手術を提供することが最大の責務であり、手術を受けられる患者さんおよびご家族が安心していただけるよう、専門的知識・技術と優しさをもって日々実践しています。
新生児集中ケア 2名
早産や疾患を持って生まれた赤ちゃんが母体外環境に適応できるよう、ストレスのないケア環境に努めています。また両親やきょうだいが赤ちゃんとの家族関係を良好に築けるようファミリーセンタードケアも大切にしています。赤ちゃんが後遺症なく一日も早く退院できるよう多職種と協働し支援しています。
がん化学療法看護 1名
がん化学療法看護は、がん薬物治療を行う患者さんやそのご家族が安全に安心して治療を継続できるように副作用対策やセルフケア支援などを行います。また、がんと向き合うなかでの不安やつらさなどに寄り添い、その人らしい生活を送ることができるよう支援します。
糖尿病看護 1名(特定行為研修修了)
糖尿病を抱え生活をする方やそのご家族が、糖尿病の悪化を防ぎ、病状に応じた生活が続けられるよう一緒に考えます。生活に合わせた血糖コントロール方法の相談を受けたり、合併症の一つでもある足壊疽を予防するためのフットケアを行います。また、特定行為「インスリン投与量の調整」を実施しています。
緩和ケア 2名
がんや慢性疾患による苦痛を抱えている患者さん、そのご家族に対して、病気に対する治療と並行して緩和ケアを行います。身体的苦痛だけでなく、精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛にも対応します。患者さん、ご家族の価値観を尊重し、その人らしい生活が送れるように一緒に考えます。
摂食・嚥下障害看護 1名
安全に口から食べるために必要な口腔ケアや嚥下訓練など、専門的知識や技術の院内啓発及び指導を行います。医師、歯科医師やリハビリセラピスト、管理栄養士など他職種と連携し、患者さん・ご家族の思いに寄り添った看護を実践します。また、入院中だけでなく退院後の在宅生活においても合併症を予防し、安全に「口から食べること」ができるように地域連携を図り、患者さんのQOLの維持・向上を目指しています。
認知症看護 1名
認知症のある患者さんにとって入院生活は、周囲の急激な変化と、疾患や治療による身体の変化や痛みにより、混乱や不安を生じやすい環境です。認知症ケアの専門知識を基に、意志や感情を言葉で表現することが難しい患者さんが必要としているケアについて考え、一人ひとりにあった治療と生活環境の調整を実践していきます。また、患者さんとそのご家族が抱える生活の困難さに寄り添った支援ができるよう、当院スタッフの認知症の理解とケアの質の向上に取り組んでいます。
専門・認定看護師による出向研修・看護相談
地域の看護・介護職のみなさまからのご要望に応じて、当院の専門・認定看護師が伺い研修を行います。また、お悩み事のご相談にも応じます。
「出向研修」についてのお申し込み、ご相談については、お気軽に下記へお問い合わせください。
お問い合わせ先
〒950-1197
新潟県新潟市中央区鐘木163-7
TEL 025-281-5151(代表)
患者総合支援センター 入退院支援担当(PHS:6207)